第6回ロボット考学研究専門委員会開催|8月4日(土)

2018.07.17
日本ロボット学会が第6回ロボット考学研究専門委員会を公開で開催します。
ロボット工学と、法哲学が、どのように有機的に接続できるのかについて下記の通り講演が開催されます。

【開催日時と場所】
日時:2018年8月4日(土)15:00-17:30
場所:名古屋大学未来社会創造機構
<事前のご連絡のお願い> ご参加いただける場合、会場の人数の確認のため、お手数ですが 上出(email hidden; JavaScript is required)まで、 ご参加される人数をお知らせいただけますよう、 どうかよろしくお願い申し上げます。

【プログラム】
15:00-16:00 <講演者> 浅田 稔(大阪大学大学院工学研究科、教授)
<講演タイトル> 「AI・ロボットシステムの意識・倫理と法制度」
<概要> 近年の神経科学や生理学などの観測・計測技術の向上に加え,深層学習に代表されるAI 技術の進展はめざましく,日進月歩どころか,秒進分歩の勢いで,さまざまな局面で利用されている.究極の人工意識も近々実現できても不思議ではなさそうな勢いである.しかしながら,深層学習の基本的な限界から,容易でないと察せられる.ポイントは,知覚系重視で運動系との密なリンクが希薄で本質的な身体性に結び付いていないからである.このことは,無意識も含めた意識研究にとっても重要と考えられる.それゆえ,論理的な構造だけでなく,情動的な側面も合わせて検討すべきであろう.痛みの共感から,倫理感,そして法人格への流れを検討する.

16:00-16:15 休憩

16:15-17:15
<講演者> 大屋雄裕(慶應義塾大学法学部、教授)
<講演タイトル> 「統制手段としての法とその特徴」
<概要> 「法とは何か」という問いは法自体にとっても長年にわたる根本的な課題だが、アメリカの憲法学者ローレンス・レッシグは、環境の人為的操作を通じた統制手段であるアーキテクチャの姿を描き出す過程において、事後規制が自律的主体の予期を通じて事前規制に転化するというひとつの特徴を指摘した。そこでは、処罰の予告を先取りしてそのような行為を避けるように各個人が自己規制しはじめるというループが存在することになるだろう。しかし、少なくとも現代の法においてはこれに加えて、法がそれによってもたらされる人々の行為の変容を予期して形作られるという要素と、その法が人々の代表により正統性を与えられなければならないという要素が存在し、またそのそれぞれにおいて相手の反応を予期して自己規制す るというループが発生することになる。このように三つのループが結び付いたものとして現代の立法過程を考えたとき、新たに発展する技術の適切な統制を実現するためには工学がどこに・どのように結び付くことが望ましいのか。法・法学の特徴という観点から、科学・技術との関係について考えたい。

17:15-17:30 全体での議論