日本哲学会理事会緊急声明|各研究機関・各研究支援機関へのお願い

2020.05.22

 昨今の新型コロナウイルス感染問題に関わり、日本哲学会理事会として、全国の各研究機関や各研究支援機関に緊急にお願いいたします。

 大学の学部学生に対する様々な支援などはなされつつありますが、そこで見逃されがちなのが、大学院生、研究員、非常勤講師、若手教員などへの配慮であります。

 まず、コロナ問題によって各学会や研究集会がことごとく中止となることを余儀なくされ、とりわけ若手の研究者が口頭発表をする機会が激減しております。ということは、研究業績を積み上げることができないということです。この事実について、採用や昇格などの際にぜひにもご考慮いただきたいと思います。
 また、オンライン授業などが一般化し、とりわけ非常勤講師の職が不安定化することが強く懸念されます。この点につきましても、ぜひ各研究機関は十分にご考慮ください。

 若手研究者や非常勤講師の方々への支援は、日本の学術研究のクオリティを高め、奥行きを増すことに関わり、そして未来の学術研究の発展に関わることです。広い視点から、若手や非常勤講師の方々の現状に視線を向け、ウイルス感染問題に呻吟する中だとしても、決してなおざりにしないよう、ここに強くお願いいたします。

令和2年5月
日本哲学会理事会
日本哲学会会長・一ノ瀬正樹