学術領域科研「顔・身体学」後期公募班募集のお知らせ

2019.09.27
本研究領域は、顔と身体表現に着目することで、他者と異文化の理解を探求しています。視線の動きを典型とするような無意識的な身体表現を意識化することにより、文化の中で閉じられたコミュニケーションを理解し、他者や異文化・異質性の受容を導く試みです。多様な文化的背景と個の多様性から、顔と身体表現に関する共通性と異質性を、個人内・外・間という3 つのレベルで多層的にあぶり出すことで、東アジア文化圏に位置する日本の人文科学から新たな研究領域を構築することを目的としています。

 「顔と身体表現の比較現象学」の研究項目では、哲学的な観点から顔身体学の理論的な基礎づくりと、実証的な各研究の位置づけについて考察するとともに、フッサールに始まる現象学の方法を応用刷新しながら、異なる社会文化的制度における身体性の変異と変容に注目する「比較現象学」の確立を試みています。
 平成31年度までに考察の対象となったトピックとしては、人種化された顔身体の知覚と文化・社会的制度・宗教、自己主体感の文化差と視線、現代哲学や人類学の動向も視野に入れたトランスカルチャーの再定義、性自認と自己の身体認知の変容などがあり、また初年度よりアウトリーチ活動としての哲学カフェを継続的に開催してきました。

 公募研究に対しては、計画研究だけではカバーできない、幅広い分野との関連で哲学的考察に立脚した研究を期待しています。具体的には、化粧学、言語学、文学、社会学、倫理学、美学・芸術学、比較現象学などの分野を想定していますが、これらに限らず、領域横断的なアプローチを歓迎します。とりわけ若手研究者からのチャレンジングな提案を期待しており、応募額100万円を上限とする提案を4件程度採択する予定です。

 公募日程は他の科研費と同じです。新学術に関しては、例年9月初旬に文科省から公示があり、応募書類の提出締め切りは11月初旬です(学内の応募書類提出締め切りについては各自で確認が必要です)。公示後以下より確認できるようになりますので、領域HPと合わせて各自ご確認の上、提出の締め切りにご注意ください。

http://www.mext.go.jp/a_menu/shinkou/hojyo/main5_a5.htm
(2.科研費の応募・審査・評価等 の1.公募状況 に掲示されます)
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